パイプオルガン

パイプオルガンの紹介

 仙台黒松教会のパイプ・オルガンは、イタリアのバロック様式を基調として、この教会のために新しく構想されたものです。

 礼拝堂の扉を開けると、真っ白いケースに入った、清楚で気品のある、たたずまいの美しいオルガンが目に飛び込んできます。

 毎週日曜日の礼拝の開始と共に、会堂いっぱいに響く会衆の讃美の歌声を支え、音楽の献げものに用いられています。

 設計・建造は、〈辻オルガン〉によるもので(辻宏:作品43)、辻氏が理想の音として求めた、人の声に最も調和する〈ミーントーン調律〉を基礎として、すべての調が弾けるように調整されています。

 鍵盤は、二段鍵盤のペダル付きでたいへん軽く、タッチによる微妙な変化が即、演奏表現に表れ、生き生きとした響きを生み出してくれます。

 バッハのように重厚なドイツ的作風の曲も、明るく澄んだイタリア的作風の曲も、どちらにも対応できるオルガンとして作られたものです。

  最も特徴的なのは自然送風による楔形ふいごで、人間の肺のように、自然な呼吸によって空気がパイプを通るようになっています。

 それと共に、モーターによる一定の送風に切り替えることも可能です。

 オルガン全体の作りはすべて、よく吟味された樅(もみ)の木や羊のなめし革など、天然の材料が用いられており、非常にていねいに手作りされています。

 鍵盤の一つひとつを削り、磨いた製作者の思い・愛情が感じ取れる、美しい名器です。

【パイプオルガン音声】

「Liebster Jesu, wir sind hier

BWV731」 J.S.Bach 

J.S.Bach_BWV731_10up.mp3

(2022年10月31日 河北新報掲載)

オルガン奏者・椎名雄一郎氏を招いてパイルオルガンコンサートが開かれました。
(202年10月3日 河北新報掲載)