大会への書簡

大会への書簡


 日本キリスト教会大会 御中


 主の尊き御名を讃美いたします。

 まず、この度の大震災の被害に対する大会の皆様の祈りと、様々な御配慮に対し、心から感謝申し上げます。

 主の守りの内に、3月13日は約20名、20日は約40名が集い、主日礼拝を一度も欠かすことなくささげることができましたことは、この上ない感謝でした。床暖房設備が壊れ、灯油が不足している中で、暖房は入れずに皆、コートやジャンパーを羽織りながらの礼拝でした。なお、13日の礼拝の中で、かねてより予定していた一人の男性の入会式を行うことができたことも、大きな喜びでした。

 今日まで、会員の安否を手分けして確認してきましたが、現時点で連絡のつかない数名を残すのみとなり、確認の取れた方の中で亡くなったり怪我をなさったりした方はおらず、感謝です。しかし、地域全体が大きな被害を受けた中で、自分たちの無事を喜んでばかりはいられません。神様からいただいた命を精一杯、隣り人のために用いていきたいと皆、願っております。

 ただ、自分たち自身がいまだ復興の途上にある者たちばかりですので、何かをしたい思いと、私たち自身が今、置かれている現状の中でできることとのせめぎ合いは、ずっと続いています。電気は復旧しましたが、大半の会員宅は水道が復旧しておらず(教会も)、ガスの復旧は目処が立っておりません。会堂・牧師館の建物の被災状況は、牧師館の建築に携わってくださった一級建築士に見ていただき、全面的な改修などは必要ないとのことで、少しほっとしております。さらに調査していただき、詳しい見積もりを出していただいて、緊急度の高い部分から補修していくつもりです。会員宅の被災状況の確認についてはさらに時間がかかることと思いますが、焦らずに一つ一つ当たっていきたいと思います。

 大会において、東北・北関東の地域に建てられた教会を覚えて募金を始めてくださるとのことも耳にし、感謝しております。また、水や食料の不足を案じて、送ってあげたいとの声もいただきました。ただこの度は、それらの物資の輸送については、あえて大会に要望を出すことはいたしませんでした。

 確かに、当教会に連なる多くの方が今も水や食料の不足に苦しんでいます。しかし私たちの地域の状況は、特に被害が甚大であった太平洋沿岸部とはかなり異なり、会員の誰も避難所で生活していませんから、今日明日の命をつなげないほど切羽詰まった状況にあるわけではありません。衣類や衛生用品などが本当に必要なのは、ほとんどすべてのものが津波で流されてしまった沿岸部のことであって、大半が自宅で過ごしている私たちはそれほど深刻ではありません。また、皆様が送ってくださった物資が届くほどまでに物流が回復するということは、すなわち小売店で品物が買えるようになるということでもあります。さらに、たくさんの物資を教会に送ってくださったとしても、私たちの教会には、公共の機関のように仕分けの仕事に専念できる者もおりません(皆が、それぞれの生活で手いっぱいです)。

 以上のような事柄を踏まえて、あえて要請することをいたしませんでした。ただ、大会に連なる各教会の皆様がこれほどまでに私たちのことを覚え、祈ってくださっているその思いに、心から感謝申し上げます。ますますキリストの体の肢・部分として、大会の交わりの中で歩んでいきたいと願っております。

 これからも、会堂・牧師館の建物の調査や、各家庭の被災状況の確認などが、しばらく続くことと思います。今後とも大会のお祈り・お支えをよろしくお願いいたします。なお、私たちのほうから連絡・要望などがある際は、なるべく大会書記を通して行いたいと思いますので、皆様からも大会書記に一本化して行っていただければ幸いです。

 最後になりますが、私たちと同じく被害に遭われた東北地区・北関東地区の諸教会の上に主のお支えと慰めを祈ります。

2011年3月20日

日本キリスト教会 仙台黒松教会小会

牧師 中家契介